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労働保険の基本(労災保険・雇用保険) 人事・労務/2016.05.23

広義の社会保険(国が運営している保険)のうち、労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険を合わせて「労働保険」と言います。

ここでは「労働保険」の基本について解説していきます。

労災保険(労働者災害補償保険)の基本

労災保険とは?

労災保険(ろうさいほけん)とは、労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」)に基づく制度で、従業員が業務上災害または通勤災害により負傷したり、病気にかかったりした場合、障害が残った場合、死亡した場合等について、被災した従業員やその遺族に対して所定の保険給付を行う制度のことです。

加入の条件

労災保険は、法人・個人事業主の別は問わず、従業員を雇ったら必ず加入しなければいけません。対象となる従業員の雇用形態は関係なく、たとえ1日だけの雇用契約であっても業務上災害や通勤災害が発生すれば保険給付を受けることができます。

一方、事業主や役員は特別加入をしない限り、加入することができません。

※詳しくはコチラ → 社長は労災保険に入れない?

保険料負担は?

保険料は全額事業主負担です。ただし、社会保険(狭義:健康保険、介護保険、厚生年金保険)と比べると、かなり低額の保険料となっています。

加入手続きについて

労災保険の適用事業については、その事業の開始の日または適用事業に該当することになった日に、自動的に保険関係が成立します。加入は従業員ごとではなく、会社としての加入となります。

自動的に保険関係が成立するとはいえ、政府はいつから適用事業になったのかを把握する必要があるので、届出が必要です。

事業所の住所を管轄する労働基準監督署に、「保険関係成立届」と「概算保険料申告書」を作成して申告し、さらに「納付書」を作成して保険料を納付します。

労災保険についてよくある質問

①労災保険は使わないほうがいいのでしょうか?

「労災を使うと保険料が高くなる!」と仰る方が時々いらっしゃいますが、この「労災保険を使うことで保険料が高くなるメリット制」は主に「保険関係が3年以上成立しており」かつ「従業員数が100名以上」の事業所に適用されます(害度係数を用いた条件、有期事業の条件等もありますので、詳しくは社会保険労務士に確認してください)。

設立すぐの会社においては、速やかに労災保険の手続きを行うようにしましょう。

 
②未加入期間があるのですが、どうしたらよいでしょうか?

労災加入義務のある事業者の故意や過失、認識不足により労災保険未加入の状態で労災事故が発生しても、労働基準監督署に労災保険の給付を請求することができます。

ただし、この場合は未加入期間をさかのぼって保険料を徴収され、保険給付にかかった費用も徴収されるなど、事業主にとって重いペナルティとなります。

従業員を雇用する際は、労災保険加入の手続きを忘れずに行うようにしましょう。

雇用保険の基本

雇用保険とは?

雇用保険のことは「失業保険」という呼び名で認識している人も多いでしょう。雇用保険は、労働者が何らかの理由で働けなくなり失業状態となった場合に、再就職するまでの一定期間、生活保障となる失業者給付のほか、育児や介護をするために休業するときなどにも一定額のお金を受け取ることができる保険のことです。

加入の条件

従業員を1人でも雇用する場合には、必ず加入しなければいけません。いかなる業種、会社規模であっても加入が必須です。

被保険者になる条件は次のとおりです。事業主や役員は原則加入が出来ませんが、役員は例外的に加入できる場合があります。

  • ● 1週間の所定労働時間が20時間以上の従業員
  • ● 65歳に達した日(65歳の誕生日の前日)以後に、新たに雇用されたものでないこと
  • ● 同一の事業主に継続して31日以上雇用されることが見込まれるもの

保険料負担は?

雇用保険料の金額は「1年間の賃金総額 × 保険料率」で計算します。

おおよそ給料の額の13/1000程度で、業種によって異なってきます。さらに保険料は労使でそれぞれ負担しますが、労働者の負担は5/1000程度と、会社より少なめです。個人の負担額は毎月数百円~2,000円程度に収まることが多いです。

加入手続きについて

「適用事業所設置届」を事業所の所在地を管轄するハローワークに提出します。

雇用保険についてよくある質問

①失業保険はいくらもらえるのですか?

失業保険の金額、給付される期間は、各人の状況によって様々です。就職時の給料の額、働いていた期間、失業の理由などによって変わります。

基本的に就職時の給料が高いほど失業手当の金額も高くなり、働いていた期間が長いほど失業手当をもらえる期間も長くなります。

また給付を受けるには以下3つの条件を満たさなければいけません。

  • ● 雇用保険適用事業所で働く
  • ● 雇用保険に一定期間加入する

基本的に1年以上雇用保険に加入していた実績が必要です(雇用保険適用の複数の会社で働いたことがある場合、働いた期間の合計が1年以上あれば条件を満たします)。

また、会社の倒産等のやむを得ない理由で失業した場合は「短期雇用特例被保険者」となり、期間の条件が6ヶ月に短縮されます。詳細はハローワークや社会保険労務士に確認してみるとよいでしょう。

  • ● 働く意思があること
②雇用保険の使い道は?

厚生労働省発表の資料によると、雇用保険料の使い道は以下のとおりです。

  • ● 失業等給付
  • ● 雇用保険二事業(雇用安定事業、能力開発事業)
  • ● 就職支援法事業
  • ● その他

※詳しくはコチラ→お支払いいただいた労働保険料(労災保険料、雇用保険料)の使用用途について

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