会社は1年以内の期間であれば、事業年度を自由に決めることができます。「1月1日から12月31日まで」、「7月1日から6月30日まで」という具合に決めます。
前述の例だと12月や6月の事業年度の最後の月を「決算期」や「決算月」といいます。
決算期は3月や12月に定めている企業が多いですが、特にこだわる必要はありません。決める際には以下にあげるポイントを踏まえて、確定させていくとよいでしょう。
また事業年度は定款にも任意的記載事項として記載できます。
「第●条 当会社の最初の事業年度は、当会社成立の日から平成XX年X月XX日までとする。」
などのように記載します。
事業年度を決めるための3つのポイント
①消費税の免税期間をなるべく長くする
設立時の資本金が1,000万円未満の株式会社は、原則として設立2期目まで消費税の納税が免除されます。
免税期間をなるべく長くするように決算期を決める、というのがひとつの判断基準になるでしょう。
例えば「7月2日」に設立をした法人があったとします。
この場合、6月を決算期とした場合は、1年目は7月2日~6月30日、2年目は7月1日~6月30日となり、24ヶ月が免税期間となります。
しかし、7月を決算期とした場合は、1年目は7月2日~7月31日、2年目は8月1日~7月31日となり、13ヶ月が免税期間です。11ヶ月も損をしてしまうことになります。
②資金繰り
決算月から2ヶ月以内に法人税や地方税、消費税を納付しなければなりません。
したがって資金に余裕がある時期を決算月とし、滞りなく納税ができるようにする、というのも重要です。
③繁忙期
特定の月が忙しくなる事業の場合、繁忙期は避けたほうがよいでしょう。
理由として、繁忙期が決算月だと利益の予測が立てにくく、それに伴い納税額も予想がつかなくなるという点が挙げられます。
納税シミュレーションが出来ないと、適切な節税対策も行えませんし、利益を確保するための営業戦略の見直しなども難しいでしょう。
また決算月は普段では生じない在庫の確認や各種書類の整理などの仕事が増えます。繁忙期に事務作業が増えてしまうと、本来の事業活動にも支障が出てしまう可能性が高いため、繁忙期を避けて決算月を設定するようにしましょう。
決算月から2ヶ月後が税金申告の期限となっているので、決算月から2ヶ月間は繁忙期と重ならないようにするとよいでしょう。