中小企業を経営されている方にとって、税金は頭が痛い問題ですよね。
税金を計画的に支払っていかなければならないのに、税金の計算は複雑です。しかも、税金の計算を理解しようとしても、毎年のように税制改正がある・・・。
今回は、事業をはじめようと思っている方や中小企業を経営されている方が、税制改正に対応していくにはどうしたら良いかをまとめてみましたので、参考にしてください。
1.税制改正のスケジュール
税制改正はしょっちゅうあるようだ、と思われている方も多いと思いますが、税制改正には毎年決まったスケジュールがあるので、税制改正に対応するには、このスケジュールを把握しておくことが大切になります。
税制改正は、毎年、前の年の12月中旬に税制改正大綱が発表されます。大綱というのは、与党の税制調査会が中心となって、翌年度にどのように税制を変えるとよいのかをまとめたものです。この大綱で、だいたいの税制改正の内容が分かります。
その後、通常は、年明けに閣議決定されて、税制改正要綱が発表されます。このあとに内閣が国会に税制改正法案を提出し、3月末に国会で可決され成立し、4月から施行されることになります。
2.税制改正が毎年ある理由
税制改正が毎年あるせいで、納税者はいつも税制がどのように変わったのかを気にしなくてはいけません。少しでも自分に有利な制度があったら利用したいですし、税金の金額が増えるようだったら事前に対策をねらなければなりません。
ではどうして、税制改正が毎年あるのでしょうか。
国の予算を決定するときに、税金は国の収入ですので、税金がどれくらい国に治められるのかの予定をたてなければなりません。つまり、税制改正は国の財政と深いつながりがあるのです。たとえば、災害があって復興費がかかる場合には、その分の税金を増やさなければならないことになりますので、国の財政によって税制も変わってくるのです。
また、税制改正は政策とも深いつながりがあります。たとえば、景気が悪いときに経済を活性化させるために法人税の減税を行うといったことがあげられます。
3.税制改正に対応する方法
(1)財務省の税制改正のパンフレットで内容を確認する。
税制改正については、財務省のホームページで概要を確認することができます。
※詳細はこちら⇒財務省:税制改正の概要
この中でも、税制改正のパンフレットは、図やイラストがたくさん使われていて、比較的、一般の方にも分かりやすく書かれています。
(2)会計ソフトや申告ソフトの情報を利用する。
経理で会計ソフトや申告ソフトを使用している場合には、税制改正にあわせて、ソフトのバージョンアップが行われます。バージョンアップを行うときには、「○○○の税制改正に対応するために、ソフトの○○○の部分を修正しました。」というように情報が掲載されます。
この情報を確認しながら、ソフトの計算があっているかを確かめると良いですね。
(3)講習会を利用する
税制改正があった場合には、税務署や商工会議所などで講習会が開催される場合もあります。このような講習会に参加したり、相談窓口を利用して、税制改正についての相談をすることもできます。
(4)税金の専門家、税理士を利用する。
会計や税金の専門知識のない経営者の方が、イチから税制改正に対応するのは、情報を得るところからはじめて、最終的な税金の計算までしなければならないので大変です。
信頼できる顧問税理士と契約すると、税制改正があったときにはその内容にあわせて、会社にとってどの制度を利用すれば良いのかを教えてくれますし、納める税金がどのように変わってくるのかの試算もしてくれます。税制改正への対応としては、税金の専門家である税理士を利用することが一番安心できる方法です。
顧問税理士を選ぶときには、やはり親身になって、どのような制度を利用すると会社にとって良いのかを考えてくれる信頼できる税理士を選ぶことをおすすめ致します。
自分で税制改正の内容を把握しておきたい経営者の方のために、税制改正のセミナーを開催している税理士法人や会計事務所もあります。
税理士が開催するセミナーは、行政の相談窓口よりも積極的な経営戦略をもとにして税制改正へ対応する方法をアドバイスしてくれることが多いですし、他の経営者の方と交流もできますので、イチ押しです。
機会があったら参加されてみてはいかがでしょうか。