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法人税率の引き下げによる影響~平成28年度税制改正 税務/2016.06.13

平成28年度の税制改正で大きくとりあげられたのが、法人税率の引き下げです。

具体的にはどのくらいの引き下げがされたのでしょうか?
また、法人税率の引き下げで会社経営にどのように影響してくるのかも気になるところです。今回は法人税率の引き下げについてまとめてみました。

法人税率の引き下げ

従来は25.5%だった法人税率が、法人税改革の初年度である平成27年度に23.9%に引き下げられていましたが、平成28年4月1日以後に開始する事業年度については23.4%、平成30年4月1日以後に開始する事業年度については23.2%と、段階的に引き下げられていきます。

法人税率の引き下げが関係あるのは大企業だけ?

税制改正で法人税率の引き下げが行われましたが、この法人税率の改正は、大企業向けの改正になっています。

資本金1億円以下の中小法人については、平成27年までは次のような税率でした。

  • ● 所得800万円までは法人税率は15%
    ● 800万円を超える金額に対して23.9%

今回の税制改正では、平成28年度・平成29年度について次のように変更されました。

  • ● 所得800万円までは法人税率は15%(今までと同じ)
    ● 800万円を超える金額に対して23.4%

平成30年度以降については今後、検討される予定となっています。

今回の法人税率の改正で影響を受けるのは、資本金1億円を超える大企業と、資本金1億円以下の中小法人のうち所得が800万円を超える法人のみで、所得800万円を超えない企業については、法人税率の引き下げの影響がありません。中小企業では所得800万円を超えない企業も多いことから、今回の改正は大企業向けだと言わざるを得ません。

法人税のその他の改正項目

今回の税制改正では、法人税率を引き下げ、同時に税収を確保するために課税ベースを拡大するという内容になっています。

課税ベースが拡大されたということは、課税対象になる範囲が広くなるという意味ですので、場合によっては中小企業にとっては不利になることもあります。

具体的には、租税特別措置の見直し、減価償却の見直し、欠損金繰越控除の更なる見直しといった改正項目が挙げられます。特に生産性向上設備投資促進税制が、平成28年度に縮減、平成29年度に廃止になりますので、注意が必要です。

中小企業にとっては、税金の支払いは大きな負担になりますが、税制改正は毎年行われ、税制改正の自社への影響を考えながら経営を行っていかなければなりません。

税制改正の項目もたくさんあるので、信頼できる税理士に相談し、税制改正の自社への影響を考慮しながら設備投資などの計画をたてることをおすすめします。

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