経理では、まずは現金の管理が大切になってきます。
経理は、現金の管理からはじまり、現金の管理で終わるといわれるほど、現金管理は経理の基本的事項なのです。
どうして現金の管理がそんなに大切なのでしょうか。どのように現金を管理していけば良いのでしょうか。
1.現金管理の重要性
現金の管理がどうしてそんなにも大切なのでしょうか?
それは、「現金はリスクが高い」からです。
現金があるということは、社内で不正が発生する可能性があるということを意味します。もちろん、「うちの従業員は悪いことをしない」「不正なんかあるわけない」と思われる方も多いと思います。
しかし、現金管理においては、従業員の性格によって不正があるかないかを判断するのではなく、しっかりした管理体制があるかどうかによって、不正が発生するリスクが高いか低いかを判断します。
2.現金管理をしっかりしているとこんな場面で役に立つ
(1)税務調査などのときに確認される
税務調査は数年に一度あるものです。そのときに、税務署がまず確認することは、現金管理がきちんとなされているかどうかです。
小規模な会社だけでなく、大会社でも監査を行うときには、まず現金管理がきちんとなされているかどうかを確認します。
金融機関からお金を借りる必要があるときにも、審査では、現金管理がきちんとされているかどうかが問われる場合があります。
(2)内部の管理に役にたつ
たとえば、現金が足りないとなったときに、普段からきちんと管理されていれば、いつ、どのような状況で現金が足りなくなったのかを把握でき、領収証を考慮していなかったなどの原因が分かります。
しかし、管理をしていなければ、疑わなくていい疑いを従業員にかけなくてはならなくなるかもしれません。
また、「現金の管理をきちんと行っている」という体制が、「管理しているから不正をすると必ず分かってしまう」という気持ちにさせ、未然に不正の防止をすることにつながるのです。
3.現金管理の仕方
では、実際にどのように現金の管理をすればよいのでしょうか。
(1)現金出納帳をつけて、実際残高とあわせる
毎日の現金の出し入れは、必ず現金出納帳につけるようにします。
実際に現金の残高を数え、現金出納帳の残高とあっているかを確認します。もし差額がある場合には、その日のうちに原因をつきとめるようにします。
(2)現金は金庫などに保管し、誰でも触れる場所に置かないようにする
現金をおいておいても「盗む人なんていない」と思われる方もいらっしゃると思いますが、もしも現金がなくなった場合に誰かを疑わざるを得なくなってしまいますので、あらぬ疑いをかけなくてもよいように、現金は金庫などに保管するようにしましょう。
(3)担当者を決める
現金の出し入れは、誰でもできるようにするのではなく、担当者を決めて、担当者だけが出し入れをできるようにしましょう。
4.現金管理のまとめ
現金管理は、実際に管理してみると帳簿と実際残高があわないことも多いのです。
その日のうちに原因をつきとめておかないと、差額がどんどん大きくなって、どうしてあわないのかわからなくなってしまいますので、毎日しっかり管理するようにしましょう。
現金の出し入れが多い場合には、小口現金を利用したり、仮払いで処理してあとから精算したり、いろいろな方法があります。
現金管理でお悩みがある場合には、税理士などの専門家に相談されることをおすすめいたします。