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創業時の資金調達はどうしたらいい? 財務・会計/2016.05.23

会社設立時に自身の預貯金だけでは資金が足りない、設立後すぐに事業に積極投資したいが資金面で不安がある、といった場合も少なくないでしょう。

このような時に備え、創業時に活用できる資金調達方法について紹介していきます。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは?

日本政策金融公庫(略称:日本公庫)とは、100%政府出資の政策金融機関で、銀行などの一般の金融機関を補完し、国民生活の向上を目的としています。

日本公庫は、国の政策に則った固定金利、長期の融資制度を用意していることが特徴としてあげられます。

日本公庫の主な業務として

  • ● 国民生活事業(国民一般向けの業務)
  • ● 中小企業事業(中小企業者向けの業務)
  • ● 農林水産事業(農林水産業者向けの業務)

  • ● 危機対応等円滑化業務

があります。

日本公庫では創業時に利用できる融資制度も複数用意しています。ここでは活用されることの多い、3つの制度をご紹介します。

新創業融資制度

新創業融資制度は、これから創業する方や税務申告を2期終えていない方が、事業計画(ビジネスプラン)等の審査を通じ、無担保、無保証人で融資を受けることができる制度です。

 
対象者

次の(1)~(3)のいずれかに該当する方(※詳細は日本政策金融公庫のウェブサイト等で確認してください)。

  1. 雇用(パート含む)創出を伴う事業を始める方
  2. 技術やサービス等に工夫を加え、多様なニーズに対応する事業を始める方
  3. 1.または2.いずれかにより創業された方で、税務申告を2期終えていない方
支援内容

-貸付限度額      3,000万円(運転資金1,500万円)

-貸付利率         2.50%(※平成27年3月末時点の利率)

-貸付期間         各種融資制度に定める貸付期間内

 
新創業融資制度の特徴

新創業融資制度のメリット/デメリットをまとめました。

【メリット】

  • ● 無担保、無保証人の融資制度である ⇒ 経営者本人の個人保証も不要です。一般的な金融機関では経営者本人が連帯保証人としてサインを求められることが多いです(このことが日本の起業環境発展の妨げになっていると指摘されることもあります)。しかし、新創業融資制度は無担保かつ無保証人で利用できることができ、非常に有利な制度と言えます。
  • ● 制度融資よりも迅速に融資が実行される ⇒ 新創業融資制度は、一般に申込から融資実行まで1ヶ月程度と言われており、制度融資と比べて非常に迅速に融資が実行されます。
  • ● 自己資金要件が緩和されました ⇒ 制度融資の多くでは、1/2以上の自己資金割合を要件としていますが、新創業融資制度は要件が緩和され、1/10以上の自己資金割合で融資を申し込めるようになりました。

【デメリット】

  • ● 制度融資よりも若干利率が高い

女性、若者/シニア起業家支援資金

女性、若者/シニア起業家支援資金は、女性、若者、高齢者のうち新規開業して概ね7年以内の方を、優遇金利で支援する融資制度のことです。

 
対象者

女性、若者(30歳未満)、高齢者(55歳以上)であって、新規開業して概ね7年以内の方

 
支援内容

-貸付限度額      【中小企業事業】7億2,000万円(運転資金は2億5,000万円)

                      【国民生活事業】7,200万円(運転資金は4,800万円)

-貸付利率         用途により、基準金利から一定利率を引き下げる、特別利率が設定されています。

-貸付期間         【設備資金】15年以内(特に必要な場合は20年以内、うち据置期間2年以内)

                      【運転資金】7年以内(うち据置期間1年以内)

新規開業資金

新規開業資金は、新しく事業を始める方や事業開始後概ね7年以内の方に対し、新規開業資金を融資する制度です。

 
対象者

次のいずれかに該当される方

①現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方

(1)現在お勤めの企業に継続して6年以上お勤めの方

(2)現在お勤めの企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方

②大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方

③技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める方

④雇用の創出を伴う事業を始める方

⑤産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援事業を受けて事業を始める方

⑥地域創業促進支援事業による支援を受けて事業を始める方

⑦公庫が参加する地域の創業支援ネットワークから支援を受けて事業を始める方

⑧民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方

⑨上記①~⑧のいずれかを満たして事業を始めた方で事業開始後おおむね7年以内の方

 
支援内容

-貸付限度額      7,200万円(うち運転資金4,800万円)

-貸付利率         日本政策金融公庫の基準利率に基づきます(一部例外あり)

-貸付期間         【設備資金】20年以内(うち据置期間2年以内)

                      【運転資金】7年以内(うち据置期間2年以内)

制度融資

制度融資とは?

制度融資とは、都道府県・市区町村などの都道府県が行う、創業融資のことです。

自治体が直接融資を行うのではなく、各自治体、信用保証協会、金融機関の3者で運用する融資制度のことです。

それぞれ以下のような役割を担います。

  • ● 各自治体 ⇒ 一定の資金を金融機関に預託します。また金融機関に対して利子補給をすることもあり、この結果、低利での融資が実現しています。
  • ● 信用保証協会 ⇒ 保証人となる機関のことです。万一、返済不能となってしまった場合は、信用保証協会が金融機関に代位返済します。債務者は信用保証協会に借入金を返済します。
  • ● 金融機関 ⇒ 自治体からの預託金を用いて融資を行います。融資の際には審査も行います。

各自治体で詳細な手順は異なりますが、大枠の融資の流れは以下のとおりです。

  1. 自治体に融資を申込み、審査を受ける。審査を通ると指定金融機関への紹介状を発行してもらえます。
  2. 紹介状をもらった指定金融機関で融資の申し込みを行います。
  3. 指定金融機関から信用保証協会に対し、保証の申し込みがなされます。
  4. 信用保証協会の担当者と面接を行います。
  5. 信用保証協会からの保証が決まったら、指定金融機関の審査を受けます。審査が通ったら、融資が実行されます。

信用保証協会とは?

信用保証協会とは、信用保証協会法に基づく公的機関です。中小企業が金融機関からの融資を受ける際、保証人となって借入れを容易にする「信用保証制度」を運用しています。

 
利用できるのは?

信用保証協会を利用できるのは、原則として中小企業です。業種ごとに資本金や従業員数の要件が異なりますので、利用する前に確認しておきましょう。

業種資本金従業員数(※1)
製造業など3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
小売業(※2)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
医療法人などなし300人以下
ゴム製品製造業3億円以下900人以下
ソフトウェア業3億円以下300人以下
情報処理サービス業3億円以下300人以下
旅館業5,000万円以下200人以下

※1:家族従業員、臨時の使用人、会社の役員は含まない。ただし、臨時雇いの名目であっても、事業の経営上不可欠な人員は従業員に含む

※2:小売業には飲食業を含む

その他にも許認可事業は、融資の申し込み前に許認可を受けておくなどの条件があります。

また、農林・漁業、風俗関連営業、金融業、宗教法人、非営利団体、LLPなどは利用できません。

制度融資のメリット、デメリット

【メリット】

  • ● 金利が安い ⇒ 日本政策金融公庫の融資制度と比較して、一般的に金利が安いといわれています。また、自治体によっては様々な優遇処置を取っている場合があります。
  • ● 据置期間が長い ⇒ 据置期間とは金利のみの支払い義務があり、元本は返済しなくてもよい期間のことです。制度融資では比較的長めに設定されていることが多いです。起業直後で経営が安定しない企業にとっては、ありがたい制度です。

【デメリット】

  • ● 審査に最大で90日ほどかかる ⇒ 制度融資は、金融機関の審査に加えて、信用保証協会の審査も受ける必要があるため、一般的に融資の実行までの期間が長くなってしまうようです。
  • ● 借入可能額が実質的に自己資金の金額まで ⇒ 日本政策金融公庫の新創業融資は借入可能額は自己資金の9倍までと定められていますが、制度融資は借入可能額は自己資金の金額、としている場合が多いです。

資金調達を成功させるポイント

創業時の資金調達は、事業としての実績が(ほとんど)ない状態で融資判断がなされることが多いので、書類を基に判断していきます。

従って、資金調達を成功させるには「事業計画書(創業計画書)」、「資金繰り表」をしっかりと作ることがポイントになります。

「事業計画書(創業計画書)」とは、ご自身の事業の「予定表」です。事業の目的や動機、商品・サービスの説明、取引先や創業後数年の事業の見通し等を記載します。事業の将来性を妥当な根拠をもって記載できるか、が鍵になります。

「資金繰り表」には会社のお金の動きを記載します。事業計画書にも売上や利益の見込みは記載しますが、お金の動きはわからないため、この点を資金繰り表が補足します。

「事業計画書(創業計画書)」と「資金繰り表」をしっかりと作成することで、融資審査を受ける際の面談で話す内容も整理することができます。

説得力のある「事業計画書」を作るためには、出来る限り客観的な視点での確認(レビュー)を行いながら、作成を進めていきましょう。事業のことを一番理解し、思いが強いのは創業者ご自身ですが、「事業計画書」に説得力を持たせるには、客観的かつ冷静に書類をチェックすることも重要です。

自治体や税理士・税理士法人等(認定支援機関としての認定を受けているところがよいでしょう)のサポートを受けることもできます。創業時には対応すべき実務が多く、じっくりと事業計画書作成の時間を取れないケースも多いので、外部のパートナーを適宜活用していくことをおすすめします。

借入れ時の注意点

借入期間の設定

借入期間はなるべく長く設定しておきましょう。いくら綿密に計画を定めたとしても、予想外の支出や売り上げの落ち込みが生じる可能性はゼロではありません。

借入期間は長めに設定しておき、事業が順調に運営できるようになってきたら、繰り上げ返済を検討する、とするのがよいでしょう。

事業が上手くいかないケースも想定しておきましょう

事業を成長させ、成功に導くための資金調達ですが、借入れを行う時には、常に最悪のケース(事業が失敗してしまうケース)も想定しておきましょう。

万一、自身に返済能力がなくなった場合はどうするのか、親族や友人が保証人になってくれている場合はどうなるのか・・・。借入れの前に十分なシミュレーションを行うようにしておきましょう。

親族や友人からの借入れは?

関係性にもよりますが、親族や友人からの借入れも当然選択肢のひとつとなりえます。

ただし、「金の切れ目が縁の切れ目」となってしまわないよう、借入れを行う際は以下の点に留意するようにしましょう。

  • ● 借用書(金銭消費貸借契約書)を作成し、返済方法や返済期間、利息について明記しましょう
  • ● 銀行口座に預け入れるか振り込むなどして、通帳に記録を残しましょう。後々現金の授受を立証する必要が出た際、記録が無いと立証が困難になります。贈与と見なされ、贈与税がかかってしまうことがありますので、必ず契約書を作成し、返済の記録を残すようにしましょう。
  • ● 返済義務のある資金となるため、自己資金には該当しません

資金調達は創業前、創業後のどちらが有利なのか?

もし、自己資金に不安がある場合は、創業前に融資を受けておくことをおすすめします。

理由は、創業前はまだ会社としての実績がないため、書類上の審査(各機関が定める書式、事業計画書等)で融資が決まるからです

一方で、創業後は事業の状況によって、融資の可否が決まります。順調に事業拡大出来ている場合はよいのですが、事業の成長が思わしくないときには、融資を受けるのが厳しくなってしまいます。

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