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空き家を所有している場合にはどうしたらよいの?~平成28年度税制改正 税務/2016.06.24

「空き家の建っている土地を所有していると不利になる」という話を耳にはさんだことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

空き家になりやすいケースとしては、実家と離れた場所で暮らしている人が、相続で実家を所有することになった場合です。

特に自身は大都市圏で働いており、出身地の地方に空き家や引き継ぐ人が未定の家屋がある、という人にとっては他人事ではない課題なのではないでしょうか。

増加する空き家は社会問題化しており、その対策として平成28年度税制改正で「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設されました。

今回はこの制度を含めた空き家対策について、詳しく解説したいと思います。

空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例とは?

平成28年度の税制改正で、増加する空き家に対する対策として、相続した空き家を売却した場合の「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設されました。

従来も譲渡所得には3,000万円の特別控除がありましたが、これは家屋を所有者自身が生活の拠点としていた場合の制度で、今回の税制改正で創設された制度とは異なる制度です。

空き家が増えると地域の環境や治安が悪化する可能性があるので、これを防止するために空き家を減らす対策が考えられ、空き家や空き家を取壊した後の土地を売却した場合に、税法上の優遇措置が認められることになりました。

空き家の譲渡所得の特別控除が認められるための要件

「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が適用される要件は、昭和56年5月31日以前に建築されたもので耐震基準を満たしていること、相続開始まで被相続人が住んでいて相続により空き家になったものであること、売却額が1億円以下であること、などの細かい条件をすべて満たさなければなりません。

この条件については、コチラ(他のサイトが開きます)にわかりやすくまとめてあります。

空き家の建っている土地の固定資産税が高い?

空き家とその土地を所有している場合、固定資産税がかかってきます。

今までは、空き家の建っている土地も住宅用地として、固定資産税の軽減税率が適用されていましたが、平成27年度税制改正で、特定空家等と位置付けられた空き家については、住宅用地の軽減税率の適用が認められなくなりました

特定空家等にあてはまるかどうかは、空き家の状況や管理の程度などで判断され、すべての空き家が対象になるわけではありません。

空き家を所有している場合、どうしたらよいの?

税額控除の特例は控除額が大きい優遇措置ですが、思い出深い家で将来的に住みたい場合など、売却したくない場合にまで無理に売却をする必要はありません。

固定資産税も特定空家等に該当しなければ、今までどおりの軽減措置を受けることができます。

空き家を所有していて取壊しを考えている場合や、空き家の耐震リフォームを考えている場合などには、国や地方自治体の補助金を利用できる場合もあります。

空き家を所有していて、どのように扱っていけばいいのか分からなくて困っているという場合には、税額控除の優遇措置などは受けることのできる条件が細かく規定されていたりしますし、ほかにも利用できる制度がある場合もありますので、信頼できる税理士に相談しながら対策を進めていかれると良いでしょう。

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